企業の義務
企業・使用者には、労働契約に基づく安全配慮義務が課されているため、従業員の身体や、特に精神的な面での安全を確保し、健やかに安心して仕事ができる労働環境を提供する義務があります。これは社会的な義務であるだけでなく、労働契約に基づく、れっきとした法的な義務です。
ですので、企業・使用者は、日頃から従業員のために安全配慮義務を尽くしていると胸を張って言えるように、セクハラやパワハラをはじめとしたハラスメント問題が起こらないようにする体制づくりを行い、また、問題が発生した時には迅速に真摯に対応する必要があります。
仮に、ハラスメント問題が発生した場合に、「企業側はこの安全配慮義務を尽くしていなかった」と認定されれば、セクハラやパワハラの直接の行為者だけでなく、企業・使用者自身が法的な責任を負うことになります。