法人・事業主の方へ

事業継承

事業承継については早い段階から対策しておきましょう

事業承継とは、名前の通り次の世代の後継者に事業を承継させていくことを指します。
特に中小企業においては、ほとんどの場合近親者の方に適切な後継候補者がいなく、事業承継対策を何もしないまま経営者が高齢化していき、経営者の方が突然倒れてしまった際に事業の存続が脅かされる事態となることがあります。

事業承継対策は、一朝一夕にできるものではなく、後継候補者の選定から自社株式の承継などクリアすべき問題が多く、かつ年月もかかってしまうものです。
事業を行っておられる方は、なるべく早い段階から事業承継対策をとっておくことをお勧めします。

中小企業では、代表者が会社の株式を多数保有しているケースが多くみられますが、その代表者が亡くなられますと、その代表者が保有していた株式は、相続人がその相続分に応じて均分に取得することとなります(もちろん、相続人間で協議が調えばどんな分割でも可能です)。

したがって、たとえば、長男を会社の後継者にしようと考えていた場合でも、次男やその他の相続人も均分に株式を取得しますので、長男が株式の過半数を取得できないという事態が生じます。そのため、もともと兄弟仲が悪く感情的な対立があって他の相続人の協力が得られない場合には、後継者長男が株主総会で過半数をとることができず、会社の意思決定ができず、結局会社の経営が行き詰まってしまうという事態が生じてしまいます。

具体的な事業承継対策

議決権なき株式

平成14年の商法の改正で、「議決権制限株式」という株式の発行が認められるようになりました。
この株式には、①議決権を行使できない株式と②決議事項の一部に限り議決権を行使できる株式の2種類があります。生前にこのような株式を発行しておき、遺言により、後継者以外の相続人にこのような議決権制限株式を相続させるという方法をとることも考えられます。
他の相続人に議決権のない株式を取得させておけば、この株主は株主総会において議決権を行使できませんので、後継者は株主総会で議決の多数をとることができるのです。

黄金株

これは、株主総会において、一定の事柄について拒否権を行使することのできる株式(黄金株)のことです。
事業譲渡や重要な資産の譲渡など会社の方針を決定するような重大な事項について、その特殊な株式を保有する株主の賛成が得られなければその議事を承認することができないという内容の株式を発行しておきます。当該株式を贈与や遺言などの方法により後継者に取得させることによって、他の相続人が株式を取得しこれを第三者に譲渡した場合でも、後継者がイニシアティブをとって会社の経営を行うことができるようにしておくことが可能となります。

また、相続が開始し、後継者以外の者に相続によって株式(ただし、譲渡制限のある株式に限られます)が取得された場合には、定款に定めがあれば、株主総会決議を経て、会社がその相続人に対して、取得株式を譲渡するよう請求(売渡請求)することができます。

したがって、株主総会の特別決議により定款を変更して、このような定めを設けておくことも一つの方法です。
ただ、後継者が相続によって取得した株式も、この売渡請求の対象となりますので、注意が必要です。売渡請求を受けた株主は、株主総会決議において議決権が行使できませんので、後継者が過半数の株式を有しているからといって安心はできません。慎重に検討したうえで対処してください。

事業承継について

事業承継においてよくあるご相談例

  • そろそろ自分の息子に会社を継がせたい
  • どう進めたらよいかまったくわからない
  • 息子に継ぐ気がなく、親族内にも会社を継いでくれる人がいない

毎年、後継者がいないなどの理由で非常に立派な企業が多数廃業を余儀なくされ、そこで働く従業員の方々の雇用が失われています。この傾向は、今後さらに強まるといわれています。事業の円滑な引継ぎには、数年から10年ほど時間がかかることが少なくなく、また、多数の関係者の方の理解を得ながら円満に進める必要があります。

私たちは、事業承継を後押しする法制度などを十分に活用し、税理士など他の専門家とも協力して、会社の価値を高めながら納得のいく事業承継のお手伝いをいたします。