違約手付について

違約手付について

前回ご説明した内容は、解約手付についてでしたが、今回は、違約手付について説明します。

違約手付は、将来、契約違反(債務不履行といいます)があった場合に備えて、予め契約の時点で違反された側が受ける損害金額を定めておき、買主が売主にこれを交付しておくという手付金です。

具体的には、手付を払う買主側に契約違反があった場合には手付金額が賠償金になり、手付を受け取った売主側に契約違反があった場合には、手付金の倍額を支払うことになります(売主は、手付金の返還と、手付金と同額の賠償をすることになるので、賠償金としては買主と売主で違いはありません)。

そして、この違約手付が交付された場合には、具体的な契約違反、損害発生の内容がどのようなものかに関わらず、つまり予定した額(手付金額)よりも、実際の損害が大きい場合でも、小さい場合でも、この手付金を損害金とするということになります。

実際に、契約違反があった場合に、違反された側の当事者が被る損害の内容は様々で、具体的な事情によって、損害の金額も一概には判断できないものになります。私たちが担当している損害賠償の裁判でも、損害の内容や損害金額について、様々な争いとなっているところです。

そこで、違約手付は、これを契約の時点で定めておくことにより、契約違反があった場合の紛争を出来る限り小さくすることになる上、契約の時点で、契約に違反した場合の賠償金額がわかることになるので、契約を確実に履行しようという認識を持たせる役割、契約の履行を担保するという意味もあります。

この違約手付は、契約違反の場合の手付流れ、手付倍返しに関するものになるので、売買契約の目的物に瑕疵があった場合(瑕疵担保責任と言います。)など、契約違反とは別の問題が生じた場合には、損害賠償を別途請求したり、手付金の返還を求めることができるようになるのですが、これらは、具体的な紛争の内容によることになりますので、手付の問題で何かトラブルが生じた場合には、一度ご相談ください。