初めての相続・遺言

遺言書作成の流れ

遺言書作成の流れ

遺言書作成のおおまかな流れ

遺言書を作成する場合、おおまかには以下のような流れとなります。公正証書遺言の場合も自筆証書遺言の場合も、まず最初に行うべき手続きは同様です。

1. 自分の総財産を把握し、財産のリストを作る

まず、ご自身がどんな財産を持っているかを把握しなければなりません。預金はどこにいくらあるのか、不動産をお持ちならばその評価額はいくらなのか、などを全て調査していきます。登記事項証明書、固定資産評価証明書、有価証券などの必要書類を集め、できる限り正確な財産の範囲・その評価額を把握できるように努めます。その時、後々のためにも財産のリストを作るとよいでしょう。

2. 誰が法律上の相続人になるのか、また、それぞれの相続割合・遺留分割合も把握する

次に、法的には誰が相続人になるのかを把握しなければなりません。離婚歴がなく、かつ隠し子がいない等の状況であれば、法定相続人が誰なのかについてはすぐに明らかになる場合が多いですが、万全を期すためにも戸籍謄本を取り寄せるとよいでしょう。
また、遺留分についても特に注意が必要です。誰にどれだけの遺留分割合があるのかについても、きちんと把握しておきましょう。

3. 誰に何をあげるのかを決める

そして、誰に・何を・どれだけ残すのか、を決定します。その際、今後のことも含め、各人の貢献度・お世話になった度合い等を考慮します。もっとも、一番大事なのはご自分のお気持ちですので、ご自身の心と向き合ってじっくり考えましょう。

4. どの形式の遺言にするか決定する

「遺言書の準備」でご説明したとおり、遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の三つの形式があります。
通常用いられるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言ですが、その中でも特に遺言の確実性が高い公正証書遺言の形式で作成されることをオススメします。

公正証書遺言の場合

まず、公正証書遺言で遺言書を作成する場合、上記1〜4の手順を踏んだのちに、公証役場において公証人に作成してもらうことになります。

1. 必要書類の準備

まず、公正証書遺言を作成するために必要な書類を用意します。

  • 本人の戸籍謄本
  • 本人の住民票
  • 本人の印鑑証明書
  • 登記事項証明書(不動産を所有している場合など)等

が必要となります。書類によっては、ご本人だけでなく弁護士でもお取り寄せができる書類もあります。

2. 二人以上の証人と共に公証役場へ

二人以上の証人にお願いして、一緒に公証役場へ行くことになります。
ただ、証人になれる人には制限があり、遺言の内容について利害関係にある人は証人になれませんので、基本的に家族の方を証人にすることはできません。そうすると、家族以外で絶対的に信頼できる人を探さなければなりませんので、証人をお願いできる人が身近ではなかなか見つからないというのが実情です。また、公証人に頼めば証人を手配してくれますが、当然有料となってしまいます。そこで、実際には、作成をご依頼いただく法律事務所の専門家である弁護士等が証人となることが多いです。
公証役場では、証人の立会いのもと、遺言者本人が残したい遺言の内容を話し、公証人がその内容を正確に書き記します。

3. 本人と証人のチェック

その後、本人と証人が、筆記の内容が口述したとおりに記載されているかをチェックし、誤りがなければそれぞれ署名押印します。

4. 公証人の署名押印

公証人は、遺言書が公正証書遺言の形式に従って作成された旨を記載し、最後に日付と共に封紙に記録し、署名押印して終了です。

5. 保管

そして、作成された公正証書遺言の原本は、公証役場で保管され、本人にはその謄本が渡されます。

自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言で作成する場合も、まずは上記【遺言書作成のおおまかな流れ】1〜4の手順を踏んだのちに、ご自身で遺言を作成することになります。作成にあたってご不安な点があれば、弁護士に相談していただければもちろんサポートいたします。

1. 遺言書作成の準備

最初に、遺言を書く道具を用意します。用紙、筆記具、封筒があるとよいですね。
用紙は特に決まっていませんが、遺言は一定期間保存するものですし、ある程度耐久性のあるものがよいです。
筆記具についても指定はありませんが、後々簡単に消して修正できるものは争いのもとになりかねません。鉛筆やシャープペンシル・消せるボールペンは避け、油性ボールペンや万年筆で書きましょう。
また、最近では遺言書キットなど遺言作成用の道具セットが文具屋で売られていますので、そちらを利用してもよいでしょう。

2. まずは下書きから

勢いあまっていきなり清書してしまう方もいらっしゃいますが、慣れないことですのでどうしても誤字脱字等のミスをしてしまいます。まずは余裕をもって下書きを作成しましょう。

3. そしてついに清書へ

ついに本番です。先ほど作成していただいた下書きを、正確に丁寧に写しましょう。ただ、以下の点が抜けていると正式な遺言として認められませんので、再度チェックしましょう。

  • 内容を全て自筆すること
    本文だけでなく、日付・氏名もすべて自分で手書きしなければなりません。
  • 日付が書いてあること
    年・月・日まできちんと書かなければいけません(和暦・西暦ともに可能)。
  • 氏名が書いてあること
  • 印鑑が押してあること

実印でなくても構いませんが、やはり実印の方が無難です。

4. 封筒に入れて封印する

書き上げた遺言書は封筒に入れ封印をした方が、改変が疑われにくくなります。

5. 保管場所を探す

上記のように書き上げた遺言書は、ご自宅で大切に保管しましょう。ただ、保管場所については、慎重に検討しましょう。あまりにわかりやすいところに保管すると、先に家族に中を見られてしまう危険性があります。しかし、あまりに複雑でわかりにくいところに保管しますと、実際の相続開始時に発見されず、せっかくの遺言が無駄になってしまう可能性もあります。