不動産・建築トラブル

家賃・賃料滞納者への対応

家賃・賃料滞納者への対応で最初に決めること

1. 賃借人との間の賃貸借契約を継続する

2. 契約を解除して賃貸借契約を終了する

まず、上記いずれかの方針を最初に決めましょう。
契約を解除してしまうと新たな入居者を確保することが難しいようなアパートの場合には、現在の賃借人にそのまま入居していて欲しいと考える大家さんもいらっしゃるかと思います。
その場合には、とりあえずは賃貸借契約を解除せずに、滞納している賃料の支払いを確保しなければならないので、その手続きについてご説明します。

賃料滞納対策の流れ

賃借人との間の賃貸借契約を継続する場合

① 滞納賃料の額と滞納月の確定

② 滞納賃料の支払い請求(督促)

③ 連帯保証人への支払い請求(督促)

④ 訴訟(裁判)の提起

⑤ 強制執行

家賃・賃料滞納者対応の具体策

① 滞納賃料の額と滞納月の確定

月によって賃料が支払われたり、支払われなかったりしている場合には、入金された賃料は、最も古い月の滞納賃料から充当してください。敷金や保証金を滞納賃料に充当することは、まだこの時点では避けましょう。

② 滞納賃料の支払い請求(督促)

この請求は、配達証明つきの内容証明郵便で行ってください。この内容証明郵便での督促書面の書き方は、文字数などが決められていますので、郵便局などで教えてもらってください(当事務所で作成する場合には、3万円(消費税別)で作成代行致しますので、お気軽にご相談ください)。

後に賃貸借契約を解除する場合、解除の前提としてこの督促をしたことが要件として必要となるので、賃借人から「そんな督促は受けていない」という弁解が出されないよう、この内容証明郵便で督促することをお勧めします。
また、この督促が賃借人に届いたことを証明するため、「配達証明」付きで行ってください(郵便局で「配達証明付でお願いします」と言えば対応してくれます)。

③ 保証人への支払い請求(督促)(上記②でも支払ってもらえない場合)

上記②と同様の流れで、保証人へ支払請求を行います。

④ 訴訟(裁判)の提起

上記③までで紹介したような方法で賃借人に対して滞納賃料の支払いを督促し、支払われればそれでよいのですが(一部の支払しか受けられなかった場合には、古い月の賃料から充当してください)、支払を受けられなかった場合には、訴訟(裁判)を提起することになります。

  • 訴訟のほかに「支払督促」の申立をするという方法もありますが、相手方(賃料滞納者)に裁判所へ出頭するよう通知が発せられませんし、相手方から異議が出されたり、和解による解決を希望されたりするときには通常の訴訟に移行しますので、初めから訴訟を提起したほうがベターです。

「訴訟を起こす」というと、大変なことだと思われる方もいるかと思いますが、滞納賃料の額が60万円以下であれば、「少額訴訟」という極めて簡便な手続をとることができます。この「少額訴訟」は、裁判所に訴状を出すときに少額訴訟による審理・判決を求めれば、原則として最初の裁判期日に判決が出されますので、非常に簡単で、費用も時間もかかりません。また、最初の期日に相手方が裁判所に出頭してくれば、裁判所で、分割払いによって支払ってもらうといった内容の和解で解決することもできますので、柔軟な解決を図ることもできます。

なお、訴訟を提起するときは、必ず(連帯)保証人も被告に加えてください。

⑤ 強制執行の手続き

上記のような訴訟を提起しても、相手方が出頭してこない、または判決によって支払いが命じられたにもかかわらずなお滞納賃料の支払いをしてくれない場合には、強制執行の手続きをとります。

強制執行の方法について

1. 不動産競売・動産競売

相手方(保証人を含む)が、不動産や価値ある動産(自動車など)を所有していれば、それらを差押えて競売にかけて、売れた代金から回収する。

2. 債権執行

相手方に預金があれば、その預金を差し押え、その預金の払い戻しを受けて回収する。
または、相手方の勤務先が分かれば、その給与を差し押え(ただし原則4分の1)、その支払を受けて回収する。

上記1、2の執行方法をとることになります。
ただ、これらの手続きは、裁判所に申立手続をとることによって始まり、その後も一定の手続をとることが求められます。したがって弁護士などの専門家に依頼せざるを得ず、その費用負担をしなければいけませんし、また相手方に目ぼしい財産が何もない場合には功を奏しません。
賃料の支払いが頻繁に滞るような賃借人に対しては、滞納賃料の支払を優先させるよりも立退き・明け渡し手続をとるべきでしょう。