不動産・建築トラブル

不動産の瑕疵

建築訴訟の形態

建設をめぐっての訴訟において最も頻繁にある訴訟は、建築の瑕疵(かし)を原因とする損害賠償請求訴訟と建築請負代金請求訴訟です。
損害賠償請求訴訟においては、極端に多い建築の欠陥(瑕疵)を原因として、これに基づく契約違反(債務不履行)や瑕疵担保責任、不法行為責任の追及などがよく見受けられます。
請負代金請求訴訟においては、建築請負契約に基づいた未払い代金請求や建築の追加もしくは変更工事に基づいた請求、出来高による請求などがもっともよく見受けられます。

瑕疵担保責任とは

売買の対象物に容易には見つけられないような隠れた欠陥がある場合には、買主が売主に対してその責任を負わせることを「瑕疵担保責任」といいます。
隠れた瑕疵(欠陥)があった場合、買主は、売主に対して契約の解除や損害賠償の請求を行うことが可能です。
なお、損害賠償請求や契約解除ができるのは、買主が契約の際に瑕疵があることを知らず、かつ、無知だったことについて買主に落ち度がないケースに限ります。一般的には、建築物の構造部分の欠陥や建物の雨漏りなどが、ここでいう隠れた瑕疵にあたります。
また民法では、瑕疵担保責任を追及できる期間は特筆されていませんが、買主が瑕疵があるという事実を知った時から1年以内に、請求や通知をしなければならないとされています。

不動産売買において瑕疵が見つかった場合
下記のケースでは不動産を購入した買主はどのように救済されるのでしょうか

自宅を建てるために不動産業者の仲介により土地を購入したところ、この地中に以前建っていた家の基礎コンクリートの塊が多数埋まっていたため、そのままの状態では家を建てることができない瑕疵(欠陥)があることが判明した。

このような場合、買主は売主に対して民法570条の「瑕疵担保責任」を追求することができます。
この民法570条は、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があったときは、売主に対して解除または損害賠償の請求ができるとしています。
そして、「瑕疵」といえるかどうかは、「契約当事者の合意、契約の趣旨に照らし、通常又は特別に予定されていた品質・性能を欠くか否か」によって決められ、その目的物が通常備えるべき品質・性能を欠いていると認められれば、「瑕疵」があると判断されます。

今回のケースでは、買主は、自宅建物を建築するためにその土地を購入したのですから、地中にコンクリートの塊が多数埋まっており、それが家を建てる際の支障になるということであれば、それは当然「瑕疵」となり、しかもそれらが地中に埋まっていて外からでは分からなかったというのであれば、「隠れた」瑕疵になります。
そして、この瑕疵によって「契約を締結した目的を達することができない」と認められるときは、買い主は、売主に対して、売買契約を解除して、売買代金を返還するよう請求することができます。

しかし、今回の場合、コンクリートの塊さえ撤去すれば、家を建てることができるようになると思われますので、コンクリートの塊が地中に存在するというだけでは、「家を建てる」という「契約の目的を達成することができない」とまでは言い切れないと考えられますので、売買契約の解除は難しいと考えられます。ただ、コンクリートの塊の撤去費用は、瑕疵によって生じた損害と言えますので、その賠償を売主に請求することはできます。

土地購入を仲介した不動産業者がいる場合

その不動産業者は買主との間の仲介契約に基づき、専門知識をもって目的不動産について買主が支障なく家を建てることができる土地かどうかを調査し、それを説明する義務を負担しているので、その業者が地中にコンクリート塊が埋まっていることを知り、または通常払うべき程度の注意を払えば知り得た場合には、買主はその不動産業者に対して損害賠償請求することも可能です。

今回のケースでの見解のまとめ

  • 売買契約の解除は難しい
  • コンクリ―トの塊の撤去費用は売主に請求ができる
  • 買主は仲介業者がいる場合には、その不動産業者へ損害賠償請求が可能