では、被害者に後遺障害が残ってしまった場合には、いかなる損害賠償を請求できるのでしょうか。
ここでいう後遺障害とは、交通事故が原因の機能障害や神経症状のうち、治療完了後(症状固定後)まで残ってしまったものを指します。一般的には、さらに労働能力の低下・喪失と、後遺障害等級に該当することが必要とされています。
人的損害
逸失利益
後遺障害が残ってしまったというためには、上記のとおり労働能力の低下が認められなければなりません。そこで、この場合には、労働能力の低下を伴う後遺障害がなければ得られたであろう利益(逸失利益)を請求することができます。
この場合も、実際の収入・労働力の低下はあれど今後働ける期間(労働能力喪失期間といいます)を基礎として逸失利益の額を算定しますので、死亡事故の場合と同様にその金額は人によって大きく異なります。
慰謝料
慰謝料についても、賠償の範囲に含まれます。
後遺障害が残った場合の慰謝料については、後遺障害等級によって大まかな金額が決まることになります。この等級は、障害の部位や程度によって決まります。
また、重度の後遺障害が認められる場合は、死亡事故と同様に遺族固有の慰謝料が認められることもあります。
治療費、入院費、付添看護費
死亡事故の場合と同様に、必要かつ相当な範囲で認められます。付添看護費についても同様です。
休業損害
休業損害については、下記のケガをした場合と同様です。
物的損害
物的損害については、下記の「物損の場合」と同様になります。